「BANIANNさ~ん もう食事に行っちゃったかな とんまのフライトがチェンジ出来たので
 
 今晩も一緒に夕食と思ったんだけど 食べて帰ってきちゃうのかな 帰ったら連絡下さい」
 
メッセージが入っていたのは15分くらい前
 
慌てて電話を入れる
 
留守電のメッセージが流れる
 
「BANIANNです 今帰ってきました 食事はこれから行こうと思っています タイミングが合いません
 
 でした 気を使っていただいてスミマセン 食事から帰ってきたら又電話します」
 
残念ながら出かけてしまった後のようだった
 
 
 
お腹を空かせた相方は様子を覗いながら夕食に出かける準備を始めている
 
ボクもシャワーを浴びて出かける準備を始めようかとその場を離れた途端に電話が鳴った
 
「もしも~し BANIANNさん? ゴメンゴメン掃除機をかけていたんで電話のコールに気が付かなか
 
 った 食事は未だなんだね それじゃ~一緒に行こう とんまがもう直ぐ戻ってくるので迎えに行きま
 
 すよ」
 
「とんまさんフライトじゃ~無かったんですか」
 
「同僚とのチェンジが上手く出来たんで今日は空いたんだ 無理だと思って昨日は何も話さなかったん
 
 だけど 本当にラッキーだってとんまも喜んでいたよ どう? 食事一緒に行きましょうよ」
 
「ありがとうゴザイマス」
 
「何処か出かける予定とかあった?」
 
この質問に敏感に反応して頭の中にはステーキが浮かんできたのだが
 
レアのステーキが苦手な相方は違うところに行けることを期待して満面の笑みになっている
 
「特に決めていなかったので何処にしようかって帰り道に話してたんですよ~」
 
「そう!! じゃ~ 一緒に行きましょう 30分くらいでホテルに迎えに行けるけど大丈夫かい」
 
「はい」
 
電話を切った時 既に相方は目の前に居ずシャワーを浴びている音が聞こえた 先を越された
 
 
 
 
ロビーに下りて間も無く健太さんととんまさんが迎えに来てくれた
 
「さ~て 何処に行こう 何かリクエストは無いかな?」
 
「特に 何でも食べますから」
 
「じゃ~ とんま あそこに行こうか」
 
「今からだと時間も掛かるし偶にワイキキでも好いんじゃ無い」
 
「じゃ~ あそこだね」
 
ってお二人の会話を????????と聞き入るボク等2人
 
 
元々決まっていた訳でも無くとんまさんが今晩もご一緒出来る偶然
 
食事の場所もこの場の雰囲気で決めているのだからコレも偶然
 
 
車は2分と走らず見慣れた通りを横切り見慣れた建物の見慣れない入り口へ向かっていった
 
この辺は通り過ぎても車で訪れたことは無い
 
パーキングの入り口がこんな所に有るなんて知らなかったと妙なところに感激しながら入って行ったが
 
スペースは殆ど無くグルグルと螺旋を登り続け結構上の階で停めることになった
 
 
この階のこのスペースが空いていたのも偶然
 
 
行ったのは
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毎日の食事を此処でしているのかと思うくらいにフレンドリーに入り口で話しをする健太さん
 
映画の中の一場面のように見ていた
 
「相当に混んでいて30分以上待つみたいだけど 違うところにしようか」
 
「今からだと何処へ行っても同じよ」
 
「BANIANNさん待っても好いかい」
 
ボクはすかさず相方の危険信号をチェックする
 
「大丈夫です」
 
さすがに相方もこの辺までは大人の良識を保っていてくれる
 
健太さんは予約を済ませ戻ってくる
 
「空いたら教えてもらえるからこの辺を見て廻って時間を潰そうか そうだ ゴルフウェアーが見たかっ
 
たから丁度好いや」
 
 
待ち時間が出来ても此処に残った偶然
 
 
仕事でも家庭でも立場的に人を連れて歩くことが多いボクにとって
 
人に連れられてウィンドーショッピングをするなんて何年ぶりの出来事なんだろう
 
兄夫婦との団欒っていうものはこんな ほっこり とした気持ちを抱かせてくれるものなんだろうか
 
初めて感じる妙にくすぐったい様なそれでいて心地よい感情にスッカリ夢心地になっていた
 
遠くで花火の音が聞こえる
 
「ごんのすけさんご夫婦はこの花火見てるのかな」
 
「そう言えばボクはヒルトンの花火1回も見た事無いんです」
 
「ヒルトンってペンギンの居るところ?」
 
「そうらしいけどボクは中に入ったことが無いから見た事無い」
 
他愛の無いボク等の会話を笑顔で見ているとんまさん
 
語らないからこその溢れるような優しさ
 
男の癖にお喋りなボクには一生醸し出せない雰囲気・・・・・・チョットだけ自己嫌悪
 
下のフロアーにも下りて数件のお店を冷やかし見て廻る
 
吹き抜けから見えるお店の入り口から合図を貰った健太さん
 
「呼んでるから戻ろうか」
 
「サ~ 食事 お腹空いたでしょう~」
 
とんまさんにも相方の危険信号電波が届いていたのかも知れない
 
店の中に入りカウンターに4人並んで座る
 
健太さん ボク 相方 とんまさんの順に並んだ
 
飲み物が注文され 食べ物は健太さんにお任せ
 
此処で相方が
 
「本当はステーキ食べたがってたんです」
 
今まで聞いたことの無いようなサプライズ
 
ボクの為に自分から人に話しかけた
 
相方にとっても健太さん とんまさんが兄弟のように感じたのか
 
HAWAII菌が相方に「優しさ」って新たな症状を発生させたのか
 
ボクは飲みかけていたビールで咽てしまった
 
経緯を知らない健太さんは
 
「なんだ~ 遠慮しないで言ってよ~ じゃ~ 焼き方は」
 
「レアで!!」
 
この席は健太さんの指定席のようだ
 
目の前には店長さんが
 
健太さんと気さくに話しながら
 
目にも留まらない速さと華麗さで料理を仕上げていく
 
作業の邪魔にならないようにフラッシュを焚かないで写真を撮らせてもらった
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健太さんは隣に一人で座っている女の子に話しかけていた
 
気が付けば写真まで撮っている
 
年の功なのか相当のナンパ上手なのか いつかテクニックを伝授してもらいたい
 
楽しい時間はあっと言う間に過ぎてしまう
 
気が付けばお腹もパンパン
 
楽しい夕食を終えた
 
駐車場に戻るのにエレベーターに乗り    下りる
 
出た途端に健太さんが酔ったご主人を支えるご婦人にぶつかりそうになり避ける
 
「社長!!」
 
あまりの声の大きさに 多少お酒も入っていた健太さんが思わず怒鳴る・・・・・・・・
 
そんな訳もあるはずも無く状況が理解出来ないであっけにとられるボクと相方
 
健太さんは丁度ボク等から見て背中を向けているので表情が判らない が
 
とんまさんはニコニコして二人の様子を見ている
 
どうやら数十年ぶりに逢う健太さんの人生に大きな影響を与えた人のようだ
 
全ての偶然が重なり健太さんは今此処で再会をしている
 
この偶然がボクにとって健太さん とんまさんとの出会い 繋がりに
 
揺ぎ無いものを感じたのかは健太さんと始めて出会った5月の日の一場面に遡って
 
話をしなければならない